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小野寺 直幸; 井戸村 泰宏; 長谷川 雄太; 朝比 祐一; 稲垣 厚至*; 下瀬 健一*; 平野 洪賓*
計算工学講演会論文集(CD-ROM), 28, 4 Pages, 2023/05
我々の研究グループでは、都市全域を含む広域の風況場から細かな路地等を捉えたマルチスケールの風況シミュレーションコードCityLBMの開発を進めている。CityLBMは、格子ボルツマン法に適合細分化格子を適用した省メモリ化、および、GPUスーパーコンピュータによる高性能計算により、数km四方に対してリアルタイムのアンサンブルシミュレーションが可能となる。一方、実現象には、モデル化できない複雑な境界条件が含まれているため、観測データをシミュレーションに反映させるためのデータ同化技術が必要である。本研究では、現実の風況を再現するために、アンサンブルカルマンフィルターに基づく地表面温度バイアスの最適化手法を提案した。CityLBMの検証として、東京都心部を対象とした観測システムシミュレーション実験を実施し、地表面近傍の温度から、境界条件として与えている地表面温度を推定する。
小野寺 直幸; 井戸村 泰宏; 長谷川 雄太; 中山 浩成
第36回数値流体力学シンポジウム講演論文集(インターネット), 3 Pages, 2022/12
高解像度の風況解析は、スマートシティ設計に活用できるなど非常に重要である。都市部は高層ビルが密集した複雑な形状をしており、それらにより風の流れが乱流状態となるため、都市街区全域から細かな路地までを捉えた大規模計算が必要である。それらの課題に対して、本研究グループは、メソスケール気象データを境界条件として利用したマルチスケールの汚染物質拡散手法CityLBMコードの開発を進めている。CityLBMは、計算領域周辺の境界条件をメソスケール気象データに同化させるナッジング法を導入することで、現実の風況を反映した解析が可能である。しかしながら、従来のナッジング法では、ナッジング係数が一定のため、大気状態が変化するような長時間解析の乱流強度を再現できない問題点が挙げられる。本研究では、アンサンブルカルマンフィルタを用いた動的なナッジング・パラメータの最適化手法を提案する。CityLBMの検証として、米国オクラホマシティの風況実験に対する解析を実施した。シミュレーションと観測のそれぞれで得られる乱流強度の誤差を低減するようにナッジング係数を更新した結果、一定のナッジング係数の結果と比較して10%ほど予測精度を向上することを確認した。
小野寺 直幸; 井戸村 泰宏; 長谷川 雄太; 下川辺 隆史*; 青木 尊之*
計算工学講演会論文集(CD-ROM), 27, 4 Pages, 2022/06
我々の研究グループでは、風況デジタルツインの実現に向けて、風況解析コードCityLBMを開発している。CityLBMは、計算領域周辺の境界条件をメソスケール気象データに同化させるナッジング法を導入することで、現実の風況を反映した解析が可能である。しかしながら、従来のナッジング法では、ナッジング係数が一定のため、大気状態が変化するような長時間解析の乱流強度を再現できない問題点が挙げられる。そこで、本研究では、パーティクルフィルタを用いた動的なナッジング・パラメータの最適化手法を提案する。CityLBMの検証として、米国オクラホマシティの風況実験に対する解析を実施した。シミュレーションと観測のそれぞれで得られる乱流強度の誤差を低減するようにナッジング係数を更新した結果、シミュレーションにおいて終日の大気境界層を再現できることを確認した。
小野寺 直幸; 井戸村 泰宏; 長谷川 雄太; 中山 浩成
第35回数値流体力学シンポジウム講演論文集(インターネット), 3 Pages, 2021/12
高解像度の風況解析は、スマートシティ設計に活用できるなど非常に重要である。都市部は高層ビルが密集した複雑な形状をしており、それらにより風の流れが乱流状態となるため、都市街区全域から細かな路地までを捉えた大規模計算が必要である。本研究グループでは、GPUおよび適合細分化格子(AMR)法を用いた格子ボルツマン法(LBM)に基づく解析手法CityLBMを開発している。現実の風況を再現するためにメソスケール気象予測モデルの風況および地表面温度が境界条件として必要となる。本研究では、それらの境界条件の高度化として、Monin-Obukhov相似則に基づく熱流束を求める物理モデルを導入した。物理モデルの検証として、米国オクラホマシティの野外観測実験に対して解析を実施し、観測値を良く再現できていることを確認した。
小野寺 直幸; 井戸村 泰宏; 長谷川 雄太; 中山 浩成; 下川辺 隆史*; 青木 尊之*
Boundary-Layer Meteorology, 179(2), p.187 - 208, 2021/05
被引用回数:13 パーセンタイル:73.61(Meteorology & Atmospheric Sciences)汚染物質の拡散解析手法CityLBMは、GPUスーパーコンピュータ上において、適合細分化格子(AMR)法を適用する事で、数kmの解析領域の実時間解析が可能である。本論文では、CityLBMの検証としてオクラホマ市で実施された野外拡散実験(JU2003)に対する解析を実施した。計算条件として、Weather Research and Forecasting(WRF)モデルを用いた風況条件および、建物と植生を考慮した地表面データをCityLBMに与えることで、JU2003の実験条件を再現した。さらにアンサンブル計算の実施により、乱流の不確実性を軽減した。汚染物質の時間平均濃度および最大値を実験測定値と比較した結果、アンサンブル計算により解析精度を向上すると共に、2m解像度・4km四方の解析では、24個の計測値に対して70%の高い割合でFactor2を満たす事を確認した。
横内 浩志*; 稲垣 厚至*; 神田 学*; 小野寺 直幸
土木学会論文集,B1(水工学)(インターネット), 76(2), p.I_253 - I_258, 2020/00
格子ボルツマン法LESモデルを用いた都市大気境界層の大規模数値計算モデルを用いて、都市の自動車由来大気汚染物質を想定したスカラーの動態評価を行った。スカラーはパッシブスカラーを仮定し、その動態計算をLagrange的手法により表現した。本モデルを移動排出源由来の大気汚染が深刻化しているジャカルタを対象に計算を実施した。計算条件として、ジャカルタで以前計画されていた沿岸巨大建造物GARUDAの有無による2通りの条件を設定し、それが下流の都市に及ぼす影響を評価した。計算結果より、地表面付近において、GARUDAの有無に由来する主流方向風速分布,粒子濃度分布に顕著な差は確認できなかった。一方で建物レベル(10[m]-30[m])では、GARUDAの影響による風速の低下に伴い、粒子密度が増加していることを確認した。
稲垣 厚至*; Wangsaputra, Y.*; 神田 学*; Ycel, M.*; 小野寺 直幸; 青木 尊之*
SOLA (Scientific Online Letters on the Atmosphere) (Internet), 16, p.120 - 124, 2020/00
被引用回数:1 パーセンタイル:4.23(Meteorology & Atmospheric Sciences)都市境界層を対象とした風況解析により、内層および外層のスケーリングと乱流強度分布の類似性を検討した。計算条件として、現実的な建物形状の上に発達する中立条件を仮定すると共に、計算領域19.2km4.8km高さ1kmに対して2m格子を設定した。乱流強度分布は計算領域内で局所的に定義できる。内層と外層に対してスケーリング則を当てはめることで、表面形状に関係なく、内層と外層内の乱流強度予測のばらつきを減らすことが可能となる。スケーリングされたプロファイル間のばらつきは、各層のスケーリングパラメーターの不一致に起因するが、長さまたは速度の比率からなる無次元パラメーターを導入することで、それらの類似性を示した。
小野寺 直幸; 井戸村 泰宏; Ali, Y.*; 下川辺 隆史*
Proceedings of 9th Workshop on Latest Advances in Scalable Algorithms for Large-Scale Systems (ScalA 2018) (Internet), p.9 - 16, 2018/11
被引用回数:9 パーセンタイル:94.51(Computer Science, Theory & Methods)計算の高速化に向けて適合細分化格子(AMR)法を適用した格子ボルツマン法(LBM)に対して、通信削減マルチタイムステップ法(CRMT)を提案した。本手法はテンポラルブロッキング法に基づく定式化を行うことで、GPU計算で大きなボトルネックとなる通信回数の削減が可能となる。東京工業大学のTSUBAMEおよび東京大学のReedbushスーパーコンピュータにて性能測定を実施した結果、通信コストが64%に削減され、200GPUまでの弱および強スケーリング結果が改善された。以上の高速化により、2km四方の計算領域に対して1m解像度の風速5msの実時間解析が可能であることが示された。
小野寺 直幸; 井戸村 泰宏
Proceedings of 26th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-26) (Internet), 7 Pages, 2018/07
放射性物質の拡散計算は、核セキュリティの観点から非常に重要である。近年、低消費電力および演算性能の高さよりGPUによる科学技術計算が注目されている。本研究では、GPUを用いた格子ボルツマン法による計算コード手法を構築することで、高精度かつ高速な風況解析手法を構築した。東京工業大学のスーパーコンピュータTSUBAMEによる弱スケーリングの性能測定を行った結果、4から144台のGPUに対して良いスケーリングが得られるとともに、CPUとの比較ではノードあたり30倍程度の性能を達成した。産業技術総合研究所の風洞実験に対する検証計算では、AMR法を適用することで全てを細かい格子で計算するのと比較して10%程度の格子点数で解析が可能となるとともに、実験による観測と良く一致している結果が得られた。
小野寺 直幸
no journal, ,
放射性物質の拡散予測シミュレーションは社会的関心が非常に高く、迅速性および正確性が求められている。人が生活する路地や建物等を含んだ高解像度の実時間解析を実施するためには、計算機性能を最大限に引き出すことが可能な解析手法の開発が必須となる。本課題では、GPUスパコンに適した格子ボルツマン法(LBM)に対して、ナッジング法に基づくデータ同化手法を導入することで、都市街区に対する汚染物質の拡散解析を実施した。
小野寺 直幸; 井戸村 泰宏; 河村 拓馬; 中山 浩成; 下川辺 隆史*; 青木 尊之*
no journal, ,
放射性物質の拡散予測シミュレーションは社会的関心が非常に高く、迅速性および正確性が求められている。人が生活する路地や建物等を含んだ高解像度の実時間解析を実施するためには、計算機性能を最大限に引き出すことが可能な解析手法の開発が必須となる。本課題では、GPUスパコンに適した格子ボルツマン法(LBM)に対して、ナッジング法に基づくデータ同化手法および植生キャノピーモデルを導入することで、都市街区に対する汚染物質の拡散解析の精度が向上することを確認した。
小野寺 直幸
no journal, ,
放射性物質の拡散予測解析は核セキュリティの観点から非常に重要であり、迅速性および正確性が求められている。GPU計算機の性能を引き出したCFD解析手法を開発することで、人が生活する路地や建物等を含んだ高解像度の実時間解析が可能となる。本発表ではAMR法を適用したCityLBMに対して、マルチタイムステップ通信削減アルゴリズムを適用することで、実時間汚染物質拡散解析をGPUスーパーコンピュータ上で実現できることを示した。
小野寺 直幸; 長谷川 雄太; 井戸村 泰宏; 朝比 祐一; 河村 拓馬; 伊奈 拓也; 下村 和也; 稲垣 厚至*; 鈴木 真一*; 平野 洪賓*; et al.
no journal, ,
デジタルツインに基づく風況予測は、都市街区内の歩行者に対する熱中症評価や微小粒子状物質の拡散予測などスマートシティ設計・運用に応用など、新たな社会基盤構築に貢献できる技術である。本ポスター発表では、都市街区内の風況デジタルツインの実現に向けた、観測とメソスケール気象データとのデータ同化に基づく風況シミュレーションについて紹介する。
小野寺 直幸
no journal, ,
デジタルツインに基づく風況予測は、都市街区内の歩行者に対する熱中症評価や微小粒子状物質の拡散予測などスマートシティ設計・運用に応用など、新たな社会基盤構築に貢献できる技術である。本研究グループは、メソスケール気象スケールから歩行者スケールまでを解像したマルチスケールの汚染物質拡散手法CityLBMコードの開発を進めている。本講演では、都市街区内の風況デジタルツインの実現に向けた、GPUを用いた高速化技術および観測データとのデータ同化技術について紹介する。
小野寺 直幸; 下川辺 隆史*; 井戸村 泰宏; 河村 拓馬; 朝比 祐一; 長谷川 雄太; 伊奈 拓也; 下村 和也; 稲垣 厚至*; 平野 洪賓*; et al.
no journal, ,
GPUスーパーコンピュータ上において、メートル解像度の風況シミュレーションに観測データをリアルタイムに同化した、都市街区内の風況予測の実現を目指している。初年度である2022年度は、高精度に大気境界層内の風況を再現するために、風況解析コードCityLBMに対してパーティクルフィルタ(PF)に基づくデータ同化手法を適用することで、モデル変数の動的な最適化手法を開発した。米国オクラホマシティの野外風況観測実験に対する解析を行った結果、PFを適用しない結果と比較して、終日の速度の標準偏差の誤差に対して約10%の改善が実現された。東京都市街区内の風況解析として、地理情報システム(GIS)および衛生画像から構築した建物・地形・植生分布、および、防災科学技術研究所の雲解像数値モデル(CReSS)から与えられる境界条件に基づくマルチスケール解析を実施した。
小野寺 直幸; 井戸村 泰宏; 長谷川 雄太; 朝比 祐一; 稲垣 厚至*; 下瀬 健一*; 平野 洪賓*
no journal, ,
我々の研究グループでは、都市全域を含む広域の風況場から細かな路地等を捉えたマルチスケールの風況シミュレーションコードCityLBMの開発を進めている。CityLBMは、格子ボルツマン法に適合細分化格子を適用した省メモリ化、および、GPUスーパーコンピュータによる高性能計算により、数km四方に対してリアルタイムシミュレーションが可能である。本研究では、東京工業大学周辺の建物、地形、植生、およびメソスケールの雲解像モデルCReSSの風況を境界条件としたメートル解像度のシミュレーションを実施した。ドップラーライダーの観測と比較した結果、日中の主風向が大きく変化する条件下においても、風況を良く再現していることが確認された。
小野寺 直幸
no journal, ,
日本原子力研究開発機構のシステム計算技術センターでは、原子力防災に向けた風況デジタルツインとして、リアルタイムの風況シミュレーションおよびそのデータ同化手法の開発を行っている。本発表では、GPUスーパーコンピュータSGI8600での都市の風況シミュレーション、および、風洞実験のデータ同化を紹介する。